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ボワソナードの刑法草案註解の関連著作

ボワソナードの刑法草案註解の関連著作

フランス刑法典

ボアソナードが日本に招聘された当時、日本は近代国家への道を歩み始め、その過程で西洋の法制度を取り入れる必要がありました。その中でも、刑法は国民の自由と権利を保障する上で極めて重要な役割を担うため、早急に整備が求められていました。そこで白羽の矢が立ったのが、フランス刑法典でした。

フランス刑法典は、1810年にナポレオン1世のもとで制定された成文刑法典です。啓蒙思想の影響を強く受け、罪刑法定主義、法の下の平等、自由主義といった近代刑法の原則を具現化した画期的なものでした。フランス刑法典は、その後、ヨーロッパ諸国をはじめ世界各国で模範とされ、近代刑法典の基礎を築いた重要な法典と言えるでしょう。

ボワソナードの刑法草案

ボワソナードは、日本政府の依頼を受け、フランス刑法典を参考にしながら日本の伝統や文化、風習を考慮した刑法草案を作成しました。これが「ボワソナードの刑法草案」として知られています。この草案は、フランス刑法典の自由主義的な精神を色濃く反映しており、罪刑法定主義や正当防衛などの原則が盛り込まれていました。

しかし、当時の日本政府内には、この草案があまりにも進歩的すぎるとする意見もあり、結局、ボワソナードの刑法草案は採用されずに、その後、ドイツ法を参考にした旧刑法が制定されることになりました。

旧刑法

1880年に制定された旧刑法は、ドイツ刑法典を参考に作成されたもので、ボワソナードの刑法草案とは異なり、国家主義的・権威主義的な色彩の強いものでした。例えば、天皇や皇室に対する犯罪を厳罰化する規定や、治安維持を目的とした条項などが盛り込まれていました。

旧刑法は、その後、約50年間にわたって日本の刑法として運用されましたが、第二次世界大戦後、民主化の中で見直しが迫られることになります。そして、1947年、日本国憲法の理念に基づき、新たに刑法が制定されました。

これらの著作は、日本の刑法の歴史を語る上で欠かせないものであり、ボワソナードの刑法草案註解と合わせて考察することで、日本の近代法の形成過程や、その後の変遷をより深く理解することができます。

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