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ライプニッツのモナドロジーの原点

## ライプニッツのモナドロジーの原点

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古代原子論からの影響

ライプニッツは、デモクリトスやエピクロスといった古代ギリシャの原子論者たちの思想から大きな影響を受けています。原子論者たちは、世界は究極的には、分割不可能な物質の最小単位である原子と、空虚な空間から成り立っていると主張しました。ライプニッツも同様に、世界は単純な実体、すなわちモナドから構成されていると考えました。

しかし、ライプニッツは古代原子論をそのまま受け入れたわけではありません。古代原子論では、原子は物質的であり、大きさや形などの属性を持っていましたが、ライプニッツのモナドは非物質的な精神的な実体であり、大きさや形などの属性を持ちません。ライプニッツは、物質的なものだけで世界を説明することはできないと考え、古代原子論を批判的に継承しつつ、独自のモナド論を展開しました。

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スコラ哲学からの影響

ライプニッツは、中世スコラ哲学、特にトマス・アクィナスの思想からも影響を受けています。アクィナスは、アリストテレスの哲学をキリスト教神学に取り入れ、神と世界、魂と肉体の関係について体系的な説明を試みました。ライプニッツは、アクィナスの神学体系や、個体の原理としての「形相」の概念などから影響を受けています。

しかし、ライプニッツはスコラ哲学のすべてを受け入れたわけではありません。例えば、アクィナスは魂と肉体の結合を重視しましたが、ライプニッツはモナドの非物質性を強調し、モナド同士が直接的に相互作用することはないと考えました。ライプニッツは、スコラ哲学の伝統を踏まえながらも、近代的な合理主義の視点から独自の哲学体系を構築しました。

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デカルト哲学からの影響と批判

ライプニッツは、近代哲学の祖の一人であるルネ・デカルトの思想からも大きな影響を受けています。特に、デカルトの「心身二元論」は、ライプニッツのモナド論にも大きな影響を与えています。デカルトは、世界は精神と物質という根本的に異なる二つの実体から成り立っていると主張しました。

しかし、ライプニッツはデカルトの心身二元論をそのまま受け入れたわけではありませんでした。デカルトは、精神と物質は全く異なる実体であり、互いに影響を及ぼし合うことはないと考えましたが、ライプニッツは、モナドはそれぞれが独自の表象を持ち、神の定めた調和に従って変化することで、見かけ上、互いに影響を及ぼし合っているように見えると考えました。

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