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アウグスティヌスの告白を読む

## アウグスティヌスの告白を読む

アウグスティヌスの告白とは

『アウグスティヌスの告白』(Confessiones)は、キリスト教思想に多大な影響を与えた古代ローマの哲学者・神学者アウグスティヌス(Aurelius Augustinus、354年 – 430年)によって397年から400年頃に書かれた自伝です。単なる回顧録ではなく、青年期の放蕩、マニ教への傾倒、哲学的模索を経てキリスト教に帰依するまでの内面的な葛藤と神の恩寵による救済を、鮮烈な筆致で描き出した作品として知られています。

構成と内容

全13巻からなる『告白』は、大きく分けて二つの部分に分けられます。第1巻から第9巻までは、アウグスティヌスの幼少期から回心、そしてミラノで洗礼を受ける33歳までの半生が語られます。幼少期の悪戯、勉学への苦悩、青年期の肉欲の罪、そして真理を求めてマニ教や新プラトン主義に傾倒していく様が赤裸々に綴られています。第10巻から第13巻は、回心後のアウグスティヌスの思想と思索が展開されます。記憶、時間、創造など、哲学的・神学的なテーマが深く掘り下げられます。

特徴

『アウグスティヌスの告白』は、以下の点が特徴として挙げられます。

* **内面性の重視:** 外面的出来事よりも、心の動きや葛藤に焦点が当てられています。
* **神への語りかけ:** 読者に向けてではなく、神に向けて書かれており、祈りの言葉が多く見られます。
* **自省と悔罪:** 自らの罪深さを率直に告白し、神の憐れみを請う姿が描かれています。
* **哲学的・神学的考察:** 自身の経験を踏まえ、時間、記憶、創造などについて深く考察しています。

影響

『アウグスティヌスの告白』は、西洋文学における自伝文学の原点とされ、以降の文学作品に大きな影響を与えました。また、その神学的・哲学的考察は、中世から現代に至るまで、キリスト教思想の根幹をなすものとして、多くの神学者や哲学者に影響を与え続けています。

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