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ダンテの天国篇を読む

## ダンテの天国篇を読む

ダンテの天国篇:概要

『神曲』天国篇は、ダンテ・アリギエーリの代表作『神曲』の最終章を飾る作品です。地獄篇、煉獄篇を経て、天国へと至ったダンテが、ベアトリーチェの導きのもと、天上の世界を巡り、神の栄光を目の当たりにするまでが描かれています。

構成と内容

天国篇は、地獄篇、煉獄篇と同様、33歌と、さらに序歌を加えた全34歌で構成されています。天国は、月天、水星天、金星天、太陽天、火星天、木星天、土星天、恒星天、原動天、至高天という9つの階層と、さらにその上にエンピレオと呼ばれる神の存在する場所があるとされ、ダンテはベアトリーチェと共にこの階層を昇りながら、様々な魂と出会い、対話を重ねていきます。

各天球では、そこに住まう魂たちの特性に応じて、救済、正義、愛、知恵など、様々なテーマが語られます。ダンテは、天上の光と音楽に満ちた世界を体験しながら、神への愛と信仰を深めていく様子が描かれています。

象徴と寓意

『神曲』全体を通して言えることですが、天国篇もまた、キリスト教的世界観に基づいた象徴と寓意に満ちています。ベアトリーチェは神の恩寵を、ダンテは人間の魂を象徴しており、彼らの旅は魂の救済の過程を意味しています。

また、各天球に住まう魂たちも、歴史上の人物や聖書の登場人物をモデルとしており、それぞれの生き方が神の教えに照らして描かれています。ダンテは、これらの魂たちとの対話を通して、神学、哲学、政治など、当時の様々な思想を織り交ぜながら、人間の罪と罰、愛と救済といった普遍的なテーマを探求していきます。

文学としての評価

『神曲』天国篇は、中世イタリア文学の最高峰とされ、その壮大なスケール、深遠な思想性、そして美しい詩的表現によって、西洋文学史上に不朽の名作として位置づけられています。

ダンテは、当時の宗教的、政治的背景を織り交ぜながら、人間の魂の救済という普遍的なテーマを描き出すことで、時代を超えて読み継がれる作品を生み出したと言えるでしょう。

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