Skip to content Skip to footer

カントの判断力批判の技法

カントの判断力批判の技法

カントの探求方法

カントは『判断力批判』において、独自の探求方法を採用しています。それは、人間の認識能力の体系的な分析を通じて、美的判断や自然目的の合目的性の根拠を明らかにしようとするものです。

超越論的方法

カントは、『純粋理性批判』と同様に、『判断力批判』においても超越論的方法を用いています。ただし、前者が認識対象である「物自体」を問題としたのに対し、後者は認識主体である人間の認識能力の構造と限界を分析することで、美的判断と自然目的という、一見すると主観的な領域に客観的な基礎を与えようと試みています。

分析と弁証法

カントは、美的判断や合目的性の概念を分析し、その構成要素や論理構造を明らかにしようとします。具体的には、美的判断における「快」と「不快」、そして自然における「合目的性」といった概念を分析し、それらがどのように結びついているのかを明らかにします。

反省的判断力の分析

『判断力批判』の中心的な役割を果たすのが「反省的判断力」です。カントは、特定の概念に従って個別の事例を認識する「決定的な判断力」に対して、個別の事例から一般的な規則を導き出す「反省的判断力」を導入します。そして、美的判断や自然目的の合目的性は、この反省的判断力によって把握されると考えます。

アナロジーによる論証

カントは、美的判断と自然目的の合目的性の根拠を明らかにするために、アナロジー(類推)を用いています。例えば、芸術作品における創造性を自然における合目的性と結びつけ、両者に共通する原理を見出そうとします。ただし、カントはアナロジーが厳密な証明ではないことを認識しており、あくまでも補助的な役割として用いています。

Amazonで詳細を見る

Leave a comment

0.0/5