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ボルヘスのバベルの図書館の話法

## ボルヘスのバベルの図書館の話法

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語り手

「バベルの図書館」の語り手は一人称であり、「私」は作中の図書館に住む住人の一人です。語り手は自身の経験や知識に基づいて図書館について語りますが、その正体や来歴については明かされません。

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語り口

語り口は、学術論文のような客観的で論理的な文体と、個人的な体験や感情を交えた詩的な文体とが混ざり合っています。

前半部分は、図書館の構造や蔵書に関する客観的な記述が中心です。語り手は、幾何学的な用語を用いながら図書館の構造を詳細に説明し、蔵書の構成や規則性についても冷静に分析します。

一方で、後半部分では、語り手の個人的な感情や思想が色濃く反映されます。図書館の無限性に対する畏怖や、意味のある書物を求める渇望、そして、秩序と混沌が共存する世界に対する諦念などが、詩的な表現によって吐露されます。

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修辞技法

ボルヘスは、「バベルの図書館」において、多様な修辞技法を駆使しています。

* **反復:** 「図書館は無限である」「六角形」など、重要な語句が繰り返し登場することで、読者に強い印象を与え、テーマを強調します。
* **対比:** 秩序と混沌、無限と有限、希望と絶望といった対照的な概念を対比させることで、図書館の持つパラドックス性を浮き彫りにします。
* **擬人化:** 図書館自体に意識や意志があるかのような描写が見られます。例えば、「図書館は…あらゆるものをすでに記述し尽くしている」という表現は、図書館を全知全能の存在として擬人化しています。
* **比喩:** 「蜂の巣」「鏡の回廊」など、比喩を効果的に用いることで、抽象的な概念を具体的にイメージさせます。

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文体

文体は、長文と短文が効果的に織り交ぜられています。

図書館の構造や蔵書の規則性など、複雑な内容を説明する際には、詳細な描写を盛り込んだ長文が用いられます。一方、語り手の心情や思想を表す場面では、短く断定的な文を用いることで、読者に強い印象を与えます。

また、倒置法や省略法などの古典的な修辞法も多用されており、格調高い文体となっています。

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