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ピグーの厚生経済学の話法

ピグーの厚生経済学の話法

厚生経済学における
「経済的厚生」の定義

ピグーは、その主著『経済学の厚生』(1920) において、厚生経済学を「現実の世界が富の分配と生産の規模という二つの影響を受ける度合いを扱う、経済学の一部門」と定義しました。ピグーは、経済的厚生を個人の主観的な満足、すなわち効用を基礎として捉え、それを貨幣によって測定できると考えました。そして、社会全体の経済的厚生は、個人の経済的厚生の総和として定義されました。

「国家の役割」と
「所得の限界効用逓減の法則」

ピグーは、政府の介入によって社会全体の経済的厚生を高めうると考えました。彼は、所得の限界効用逓減の法則に基づき、富裕層から貧困層への所得移転は、社会全体の効用を増加させると主張しました。これは、富裕層にとって追加的な所得の効用は小さく、貧困層にとっては大きいという考えに基づいています。

市場の失敗と
「外部経済効果」

ピグーは、市場メカニズムは必ずしも効率的な資源配分をもたらすとは限らないと考えました。彼は、市場の失敗の一因として「外部経済効果」を挙げました。外部経済効果とは、ある経済主体の活動が、市場を通じて媒介されることなく、他の経済主体に影響を与えることを指します。

「私的費用」と
「社会的費用」

ピグーは、外部経済効果が発生する場合、私的費用と社会的費用が乖離することを指摘しました。私的費用とは、ある経済主体が自ら負担する費用を指します。一方、社会的費用とは、私的費用に加えて、その経済主体の活動によって他の経済主体が被る費用を含めた費用を指します。

「ピグー税」

ピグーは、外部経済効果を是正するために政府が介入すべきだと主張し、その手段として「ピグー税」を提唱しました。ピグー税とは、外部経済効果を引き起こす経済主体に対して、その社会的費用と私的費用の差額を課税するものです。ピグーは、ピグー税によって外部経済効果を内部化し、資源配分の効率性を高めることができると考えました。

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