## シェイエスの第三身分とは何かの話法
###
疑問と反復による強調
シェイエスは、「第三身分とは何か」という小冊子の冒頭で、三つの疑問を立て、それに対して「すべて」あるいは「何も」といった極端な言葉で答えることで、第三身分の重要性を際立たせています。
> 第三身分とは何か。–すべてである。
> 政治体制において、これまで第三身分はどのようなものであったか。–無であった。
> 第三身分は何を求めているのか。–何ものかになることを。
これらの疑問と回答は、力強いリズムと断定的な表現によって、読者の心に強く訴えかけます。特に、「無」であった第三身分が「すべて」になろうとする、という対比は、フランス革命前夜の社会における第三身分の不満と要求を鮮やかに浮き彫りにしています。
###
比喩を用いた説明
シェイエスは、第三身分を「国民」と同一視し、貴族や聖職者を「特権身分」として批判します。その際、彼は「高貴な身分の贅沢な生活」と「第三身分の労働」を対比させることで、特権身分の不当性を強調しています。
> 国民のあらゆる仕事は、彼ら(特権身分)によって妨げられている。彼らの贅沢は何に由来するのか。国民の労働に由来する。彼らの怠惰は何によって支えられているのか。国民の労働に由来する。
この比喩表現によって、読者は特権身分の生活が第三身分の犠牲の上に成り立っていることを実感として理解することができます。また、シェイエスは、第三身分の労働を「不断の活動」「生命の原理」と表現することで、国家にとって不可欠な存在であることを強調し、特権身分の無用性を際立たせています。