## プルーストの失われた時を求めての話法
###
特徴的な文体
プルーストの文章は、その長さと複雑さで知られています。非常に長い文章は、読者の時間感覚を作品世界に引き込み、主人公の意識の流れを表現する効果を持っています。また、比喩や隠喩、倒置法などを駆使した詩的な表現は、登場人物の心理や情景描写に深みを与えています。
###
自由間接話法の多用
プルーストは、地の文と登場人物の内的独白を融合させる「自由間接話法」を効果的に用いています。これにより、読者は登場人物の視点に寄り添い、その心理を深く理解することができます。
###
時間と記憶の表現
プルーストの作品において、時間は直線的な流れではなく、記憶によって断片的に蘇ってくるものです。「 involuntary memory（不随意記憶）」と呼ばれる、ある感覚の刺激によって過去の記憶が鮮やかに蘇ってくる様子が、印象的に描かれています。
###
モチーフの反復
作中では、「マドレーヌと紅茶」、「スワン家の娘たち」、「ヴェネツィアの石畳」など、特定の人物や場所、感覚が繰り返し登場します。これらのモチーフは、時間と記憶のテーマと深く結びついており、主人公の意識の流れや作品全体の構成に重要な役割を果たしています。