マイネッケの近代史における国家理性の理念の入力と出力
入力
マイネッケは近代国家の成立を考察する上で、
・宗教改革
・ルネサンス
・古代の発見
を重要な要素として挙げています。
まず、宗教改革によってカトリック教会という絶対的な権威が失墜し、人々の精神生活は多様化しました。この過程で、宗教的な権威に替わるものとして台頭したのが、「国家」という概念でした。
また、ルネサンス期に興った人文主義の影響も見逃せません。人間中心主義的な世界観は、個人や共同体の自律性を重視する考え方を醸成しました。
さらに、古代ギリシャ・ローマの文化や政治体制が「再発見」されたことは、国家という統治機構に対する人々の意識を大きく変えました。古代の共和制や法治主義の理念は、近代国家の形成に少なからず影響を与えたと言えるでしょう。
出力
マイネッケは近代国家を「理性的な国家」と捉え、その特徴として次の３点を挙げています。
・領土国家
・国民国家
・法治国家
「領土国家」とは、明確な国境によって囲まれた領域を支配する国家です。近代以前の国家では、支配領域が曖昧で、複数の領主が入り乱れていました。しかし、近代国家は、明確な領土を有することで、国家権力の行使を効率化し、国内の安定を図りました。
「国民国家」とは、共通の言語、文化、歴史を共有する国民によって構成される国家です。近代以前は、支配者と被支配者の関係は、血縁や身分によって規定されていました。しかし、近代国家においては、国民という概念を基盤に、より均質で統合された社会が形成されました。
「法治国家」とは、法律に基づいて統治が行われる国家です。絶対王政の下では、国王の権力は絶対的で、法の上にも君臨していました。しかし、近代国家においては、法の支配が確立され、権力は法によって制限されるようになりました。
このように、マイネッケは、宗教改革やルネサンスといった歴史的背景と、それによって生まれた「理性」という概念を基に、近代国家の成立とその特徴を説明しました。