パブロフの条件反射の入力と出力
パブロフの条件反射における入力
パブロフの条件反射は、古典的条件づけあるいはレスポンデント条件づけとも呼ばれ、特定の環境刺激と結びつけられることで、本来は無関係な刺激に対する学習された反応が生じる現象を指します。
この学習プロセスにおける入力は、大きく分けて**無条件刺激(UCS)**と**条件刺激(CS)**の二つに分類されます。
* **無条件刺激(UCS)**:これは、生物に生来備わっている反応を引き出す刺激です。パブロフの実験における犬の唾液分泌を引き起こす「食べ物」が、このUCSにあたります。UCSは学習の必要なく、生物に自然に反応を引き起こします。
* **条件刺激(CS)**:UCSと対照的に、CSは、最初は生物にとって中立な刺激であり、特定の反応を引き起こしません。しかし、UCSと繰り返し組み合わせて提示されることで、CSはUCSと同様に生物から反応を引き出すようになります。パブロフの実験では、ベルの音や光などがCSとして用いられました。
重要なのは、CSとUCSの組み合わせのタイミングと順序です。最も効果的な学習のためには、CSがUCSの直前に提示される必要があります。
パブロフの条件反射における出力
パブロフの条件反射における出力は、**無条件反応(UCR)**と**条件反応(CR)**の二つです。
* **無条件反応(UCR)**: UCRは、UCSによって引き起こされる、生物に生来備わっている自動的な反応です。パブロフの犬で言えば、食べ物を与えられたときに自然と分泌される唾液がUCRにあたります。
* **条件反応(CR)**: 一方CRは、学習の結果としてCSによって引き起こされるようになった反応です。 パブロフの犬では、ベルの音に続いて唾液を分泌するようになった反応がCRにあたります。 つまり、CSと繰り返し組み合わされることで、本来はUCSに対してのみ起こるはずのUCRが、CSに対しても起こるようになるのです。
CRは、UCRと非常に似ていることが多いですが、完全に同一ではありません。 例えば、CRの強度は、UCRよりも弱かったり、質的に異なる場合があります。
パブロフの条件反射は、広告、恐怖症の治療、依存症の理解など、幅広い分野に応用されています。