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ルソーの人間不平等起源論の企画書

## ルソーの人間不平等起源論の企画書

執筆の背景

1749年、ディジョンアカデミーが「学問と芸術の復興は風俗の浄化に役立ったか」という懸賞論文の募集を開始しました。この問いに対し、ルソーはこの懸賞論文への応募を通じて、人間社会における不平等という根深い問題に切り込むことを決意します。

論文の目的

本論文は、人間社会における不平等の起源と、それが人間の自然な状態とどのように関連しているのかを探求することを目的とします。人間が自然状態から社会状態へと移行する中で、何が不平等を生み出し、それがどのように発展してきたのかを明らかにすることを目指します。

論文の構成(予定)

本論文は、大きく分けて二部構成となる予定です。

**第一部:**

* 人間の自然状態について考察します。
* 自然状態における人間の自然権、特に「自己保存」と「憐れみ」の情念に焦点を当てます。
* 自然状態における人間は、理性や道徳観念を持たず、自己保存と憐れみの情念によってのみ行動していたことを論じます。

**第二部:**

* 人間が自然状態から社会状態へと移行する過程を分析します。
* 私有財産の発生、労働の分業、社会制度の確立といった要素が、不平等を生み出した要因として挙げられます。
* これらの要因によって、人間は自然状態における自由で平等な状態から、不平等と隷属が蔓延する社会状態へと転落したことを示します。

想定読者

本論文は、当時の社会思想に関心の高い知識人を主な読者層として想定しています。

* 特に、啓蒙思想が唱える進歩史観や理性万能主義に疑問を抱く人々に対して、人間の自然な状態と社会における不平等の関係について新たな視点を提供することを目指します。
* また、本論文は、ディジョンアカデミーの懸賞論文に応募することで、より広範な読者層へのアピールも期待しています。

本論文の独創性

本論文は、従来の社会契約論とは一線を画す独自の視点から人間の不平等を論じる点において、極めて独創的な作品となることが期待されます。

* ホッブズやロックなどの先行する社会契約論では、自然状態は「万人の万人に対する闘争」の状態として描かれ、社会契約によって国家が成立することで、秩序と安全がもたらされるとされてきました。
* 一方、本論文では、自然状態における人間は必ずしも闘争状態にあったわけではなく、「自己保存」と「憐れみ」の情念によって共存していた可能性を指摘します。
* この独自の視点に基づき、本論文は、社会契約によって人間が自然状態の自由と平等を失い、不平等な社会へと転落したという、従来の社会契約論とは全く異なる結論を導き出すことが予想されます。

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