ロックの人間知性論と作者
ロックの生い立ちと時代背景
ジョン・ロックは、1632年、イングランドの西部サマセット州で生まれました。
清教徒革命のさなか、厳格なピューリタンの家庭で育ちました。
オックスフォード大学で学び、医学や自然哲学に親しみます。
人間知性論の執筆背景
ロックは、当時の知識人たちの間で議論されていた「生得観念」に疑問を抱きます。
彼は、人間は生まれながらにして何の知識も持たず、経験を通してのみ知識を得ると考えました。
この経験主義の立場から、人間の心の働きを解明しようとしたのが『人間知性論』です。
人間知性論の内容
1689年に出版された『人間知性論』は、全4巻からなる大著です。
ロックは本書において、人間のあらゆる知識は経験に由来すると主張しました。
そして、経験を「感覚による経験」と「内省による経験」の二つに分類し、それぞれの働きを詳しく分析しています。
ロックの思想と人間知性論
『人間知性論』は、経験主義に基づいた知識論を展開した画期的な著作でした。
ロックの思想は、後のイギリス経験論や啓蒙主義に大きな影響を与え、近代哲学の形成に貢献しました。
また、政治思想の分野でも『統治二論』を著すなど、大きな功績を残しています.