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30代のためのロック「統治二論」

30代のためのロック「統治二論」

ロックの「統治二論」とは

ジョン・ロックの「統治二論」は、17世紀後半に書かれた政治哲学の古典です。第一論文では、王権神授説を論駁し、第二論文では、自然状態、自然権、社会契約論、抵抗権といった重要な概念を提示し、近代自由主義の礎を築きました。一見すると、17世紀の政治思想書が現代の30代にどう関係するのか疑問に思うかもしれません。しかし、「統治二論」は単なる歴史的文献ではなく、現代社会を理解し、未来を構想するための重要な示唆を与えてくれるのです。

「統治二論」における自然状態と自然権

ロックは、人間は本来「自然状態」において自由で平等であると主張します。この「自然状態」とは、いかなる政治的権威にも服従していない状態を指します。そして、この状態において、人間は「自然権」を有しています。この「自然権」には、生命、自由、財産に対する権利が含まれます。つまり、誰も他者の生命を奪ったり、自由を制限したり、財産を侵害したりすることは正当化されません。現代社会においても、基本的人権として、生命、自由、財産の尊重は憲法などで保障されています。これらの権利の根源を理解することは、現代社会の基盤を理解する上で重要です。

社会契約と政府の役割

ロックは、人々が「自然状態」から抜け出し、政治社会を形成するのは、相互の権利をより確実に保障するためだと説明します。これが「社会契約」です。人々は、自らの自然権の一部を政府に委譲することで、残りの権利をより効果的に保護することを期待します。つまり、政府は人々のために存在し、人々によって統治されるべきであるという考え方です。これは、現代の民主主義の根幹をなす考え方です。

抵抗権という概念

ロックは、政府が人々の権利を侵害する場合、人々は抵抗する権利、つまり「抵抗権」を持つと主張します。これは、政府が人々のために存在するという考え方の帰結です。政府がその役割を放棄し、人々の権利を侵害するならば、人々は政府に抵抗し、新たな政府を樹立する権利を有するのです。これは、現代社会においても、権力の濫用に対する歯止めとして重要な概念です。

30代が「統治二論」を読む意義

30代は、社会の中核を担い、未来を築いていく世代です。社会の仕組みや政治のあり方について深く理解することは、責任ある市民として行動するために不可欠です。「統治二論」を読むことで、現代社会の基盤となる思想に触れ、自由、平等、権利といった概念について深く考えることができます。また、政府の役割や市民の責任についても改めて認識することができます。これらの理解は、社会問題に対する批判的な思考力を養い、より良い社会を築いていくための指針となるでしょう。

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読書意欲が高いうちに読むと理解度が高まります。

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