## 20代のためのキケロ「友情について」
なぜ20代は「友情について」を読むべきなのか
20代は人生における大きな転換期であり、多くの出会いと別れを経験する時期でもあります。学生時代からの友人関係が変化したり、社会に出て新たな人間関係を築いたりする中で、友情の大切さや難しさに直面することも少なくありません。そんな20代にとって、古代ローマの雄弁家であり哲学者であったキケロが記した「友情について」は、時代を超えて友情の本質を問いかけ、多くの示唆を与えてくれる貴重な書物と言えるでしょう。
「友情について」が描く理想の友情像
「友情について」は、キケロが親友アッティクスに宛てた書簡形式で書かれており、レピドゥス、ファンニウス、スカエボラといった登場人物たちの対話を通して、友情とは何か、真の友情を築くにはどうすればよいのかが論じられています。作中で語られるのは、利害や打算を超えた、徳に基づく高潔な友情です。キケロは、真の友情は共通の善意と敬愛によって結ばれ、互いに高め合い、支え合うものであると説いています。
例えば、作中では、真の友人は互いの名誉や幸福を心から願い、困ったときには助け合い、喜びを分かち合う存在として描かれています。また、友情においては率直な意見交換が重要であり、たとえ厳しい意見であっても、友人のためになることであれば伝えるべきだとされています。このような理想的な友情像は、現代社会においても私たちが目指すべき友情の姿を示唆していると言えるでしょう。
20代が直面する人間関係の課題と「友情について」
20代は、大学進学、就職、結婚など、人生における大きな転換期を迎える時期であり、それに伴い人間関係も大きく変化します。学生時代からの友人関係が疎遠になったり、社会に出て新たな人間関係を築く中で、友情の難しさに直面することも少なくありません。
例えば、利害関係が絡む職場の人間関係や、結婚による友人関係の変化など、20代は様々な人間関係の課題に直面します。このような状況において、「友情について」で語られる真の友情の概念は、私たちが人間関係を築く上で重要な指針を与えてくれます。キケロの思想は、表面的な付き合いではなく、互いを尊重し、支え合う真の友情を築くことの大切さを教えてくれるのです。
「友情について」から学ぶ、時代を超えた友情の価値
「友情について」は、約2000年前に書かれた書物ですが、そこで語られる友情の価値観は現代社会においても色あせることはありません。むしろ、情報化社会が進み、人間関係が希薄になりがちな現代において、キケロの思想はより一層重要性を増していると言えるでしょう。
「友情について」を読むことで、私たちは友情の本質を深く理解し、真の友情を築くためのヒントを得ることができます。それは、20代という人生の重要な時期をより豊かに過ごすための大きな糧となるでしょう。また、キケロの美しいラテン語の文章に触れることも、大きな魅力の一つです。名訳を通して、古代ローマの思想と文化に触れることで、より深い教養を身につけることができるでしょう。
「友情について」は、20代だけでなく、あらゆる世代の人々に読み継がれるべき古典的名著です。友情の大切さを改めて認識し、より良い人間関係を築くために、ぜひ一度手に取ってみてください。
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読書意欲が高いうちに読むと理解度が高まります。