ヴォルテールの哲学辞典を面白く読む方法
皮肉とユーモアを楽しむ
ヴォルテールは辛辣な皮肉とウィットに富んだユーモアで知られています。彼の言葉の端々から、当時の社会や権力者に対する痛烈な批判を読み取ることができます。難しい言葉や概念の羅列ではなく、軽妙な語り口の中に潜む毒を含んだユーモアを楽しむことが、哲学辞典を読む上での第一歩と言えるでしょう。例えば、「愛国心」の項目では、盲目的な愛国心を皮肉たっぷりに定義しています。「自分の母親と自分の恋人を除けば、自分の国が一番素晴らしいと信じること」といった具合です。こうした表現の裏に隠された真意を探ってみましょう。
現代社会との共通点を見出す
哲学辞典が書かれたのは18世紀ですが、そこで扱われているテーマは、宗教、政治、道徳、社会など、現代社会にも通じる普遍的なものです。当時の社会背景やヴォルテールの生きた時代についてある程度知っておくことは重要ですが、現代社会と比較しながら読むことで、より深く理解することができます。例えば、「寛容」の項目では、宗教的な対立や迫害について論じていますが、これは現代の民族紛争や差別問題にも繋がるテーマです。
辞書としてではなくエッセイ集として読む
哲学辞典というタイトルですが、体系的な辞書として読むよりも、エッセイ集として気楽に読むことをおすすめします。興味のあるテーマから自由に読んでいくことで、肩肘張らずにヴォルテールの思想に触れることができます。各項目は比較的短い文章でまとめられているので、通読するのではなく、自分のペースで少しずつ読み進めていくと良いでしょう。
他の著作や資料も参照する
哲学辞典の内容をより深く理解するためには、ヴォルテールの他の著作や、当時の歴史背景に関する資料も参照すると良いでしょう。例えば、「カンディード」や「哲学書簡」といった作品を読むことで、ヴォルテールの思想や世界観をより多角的に理解することができます。また、当時のフランス革命や啓蒙思想に関する書籍を読むことで、ヴォルテールの思想が生まれた背景や、彼が目指した社会について理解を深めることができます。