ヴォルテールの哲学辞典の関連著作
モンテスキュー 『法の精神』 (1749年)
『法の精神』は、フランスの啓蒙主義思想家モンテスキューによって書かれた政治論です。
本著は、権力分立の原則を提唱したことで特に有名であり、後の近代民主主義国家の政治体制に大きな影響を与えました。
ヴォルテールはモンテスキューを高く評価しており、
『哲学辞典』内でもモンテスキューの思想に言及しています。
特に、両者は宗教的寛容や迷信の批判など、共通の関心事項を共有していました。
ディドロ、ダランベール編集 『百科全書』 (1751-1772年)
『百科全書』は、啓蒙主義の理念を普及させることを目的とした、当時としては画期的な規模の百科事典です。
ディドロやダランベールを筆頭に、ヴォルテールを含む多数の啓蒙主義思想家が執筆に参加し、
科学、技術、芸術、哲学など幅広い分野の知識を網羅しました。
ヴォルテール自身もいくつかの項目を執筆しており、
『哲学辞典』と同様に、教会や迷信に対する批判的な視点が見て取れます。
ルソー 『社会契約論』 (1762年)
『社会契約論』は、フランスの啓蒙主義思想家ルソーが提唱した社会契約説を論じた政治哲学書です。
人民主権や一般意志といった概念を提示し、フランス革命に大きな影響を与えました。
ヴォルテールとルソーの関係は複雑で、
互いの思想に共感する部分もあった一方で、
ルソーの文明批判などに対しては、
ヴォルテールは批判的な立場をとっていました。
それでも、両者は啓蒙主義を代表する思想家として、
当時の社会思想に大きな影響を与えました。