ヴェブレンの企業の理論を面白く読む方法
ヴェブレンって誰?面白いの?
ソースティン・ヴェブレンというアメリカの経済学者、社会学者を知っていますか? 19世紀後半から20世紀初頭にかけて活躍した人物で、「有閑階級の理論」という著書が特に有名です。この中で彼は、富裕層が財やサービスを消費するのは、それが必要だからではなく、むしろその消費を通して自らの社会的地位や優越性を誇示するためだと主張しました。
ヴェブレンと企業?一体どんな関係が?
ヴェブレンは企業活動にも鋭い目を向けました。彼は企業、特に大企業が、生産性や効率性を追求するよりも、むしろ「見せびらかし」や「競争」に突き動かされていると考えたのです。企業はより多くの利益を得るためではなく、ライバル企業よりも大きく、強力であることを示すために、巨大な工場やオフィスを建設し、高価な広告を打ち出す、と考えたのです。
面白く読むための3つのコツ
ヴェブレンの企業理論は、現代社会にも通じる鋭い洞察に満ちています。しかし、彼の文章は難解で、読み通すのが難しいと感じる人もいるかもしれません。そこで、ヴェブレンの企業理論を面白く読むための3つのコツを紹介します。
1. 現代社会とのつながりを意識する
ヴェブレンの時代から100年以上が経ちましたが、企業の「見せびらかし」や「競争」は、形を変えながらも現代社会に脈々と受け継がれています。例えば、高級ブランド品を身につけたり、高級車に乗ったりすることは、ヴェブレンの言う「顕示的消費」の一例と言えるでしょう。また、企業が巨額の費用をかけて広告を展開したり、巨大なオフィスビルを建設したりすることも、ヴェブレンの理論と無関係ではありません。
2. 具体的な事例を探してみる
ヴェブレンの理論をより深く理解するためには、具体的な事例を探してみるのも有効な方法です。例えば、IT業界の巨大企業が、巨額の費用をかけて最新のオフィスビルを建設したり、豪華な社員食堂を完備したりするのはなぜでしょうか?また、自動車メーカーが、燃費や安全性よりも、デザインやブランドイメージを重視した新型車を開発するのはなぜでしょうか?これらの事例を、ヴェブレンの理論に照らし合わせて考えてみると、新たな発見があるかもしれません。
3. 批判的な視点も忘れずに
ヴェブレンの理論は、現代社会に対する鋭い批判を含んでいますが、もちろん、彼の主張がすべて正しいわけではありません。企業活動は、ヴェブレンの言う「見せびらかし」や「競争」だけで説明できるほど単純なものではありません。ヴェブレンの理論を読む際には、その洞察力に感嘆すると同時に、批判的な視点も忘れずに持ちましょう。