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ヴィトゲンシュタインの論理哲学論考の表象

ヴィトゲンシュタインの論理哲学論考の表象

表象(Picture)

論理哲学論考において、ヴィトゲンシュタインは、「文は現実の像である」というテーゼを掲げ、表象(Bild)という概念を導入します。彼によれば、文と現実は、論理的に構造が同じであるという意味で、文は現実を写し出す「像」のようなものとして機能します。

ヴィトゲンシュタインは、表象を構成する要素として、対象(Gegenstand)と事実(Sachverhalt)を挙げます。対象は世界の最も単純な構成要素であり、事実とは、これらの対象が互いに結びついた状態を指します。文は、この事実を、言語という体系の中で表象するものであると言えます。

重要なのは、ヴィトゲンシュタインは、表象とそれが表象する対象との間に、何らかの類似性や模倣関係を想定しているわけではないという点です。むしろ、重要なのは、表象と現実との間に存在する論理的な構造の同一性です。文が現実を表象できるのは、文の論理形式と現実の論理形式が一致しているからであり、この一致こそが、文の意味を保証するものであるとされます。

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