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ヴィトゲンシュタインの論理哲学論考の対称性

## ヴィトゲンシュタインの論理哲学論考の対称性

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命題と事実の対応関係

「論理哲学論考」の中心的な主張の一つに、命題と事実の間に成り立つ「図示関係」がある。ヴィトゲンシュタインは、命題は現実の論理的な図像であるとし、命題の論理構造が事実の構造に対応すると考えた。この対応関係は、命題の要素と事実の要素の間の1対1対応を基本とする。

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言語と世界の対称性

命題と事実の対応関係は、言語と世界の関係にも反映される。ヴィトゲンシュタインは、言語の限界が世界の限界であるとし、言語が世界を記述できるのは、両者が共通の論理形式を共有しているからだと考えた。言語は世界の鏡像として機能し、その構造は世界の構造を反映している。

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論理定項の対称性

「論理哲学論考」では、論理定項にも対称性が見られる。例えば、「かつ」「または」「でない」といった論理結合子は、真理関数の概念を通じて対称的な関係を持つ。真理関数は、命題の真偽を組み合わせることで、複合命題の真偽を決定する規則であり、各結合子は特定の真理関数に対応する。

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示されるものとしての倫理

倫理や価値といった問題は、「論理哲学論考」において、言語によって記述できるものを超えた「示されるもの」として位置付けられる。世界と対応関係を持つ命題によって表現できるのは、事実の領域のみである。倫理や価値は、世界に属する事実ではなく、むしろ世界の背後にあるものとして、言語によって直接的に表現することはできないが、言語や世界のあり方に「示される」とされる。

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