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ワルラスの純粋経済学要論の構成

ワルラスの純粋経済学要論の構成

序論

序論において、ワルラスは本書の目的が純粋経済学、すなわち経済現象の数学的理論を構築することであると述べています。彼は経済学を物理学のような自然科学と同様に、厳密な論理と数学を用いて分析できる分野だと考えました。また、本書では経済を富の生産、交換、消費という3つの側面から分析することを明らかにしています。

第1編 純粋経済学の諸原理

第1編では、後の分析の基礎となる基本的な概念や前提条件が提示されます。まず、価値、富、市場、価格などの基本的な経済概念が定義されます。 続いて、経済主体として、効用を最大化する消費者、利潤を最大化する生産者、そして資本家、地主、労働者といった要素供給者が設定されます。 これらの経済主体は、完全競争市場において相互作用すると仮定されます。

第2編 財の交換

第2編では、2種類の財と2人の経済主体という最も単純なケースから交換の分析が始まります。ワルラスは、それぞれの消費者の効用最大化行動から導出される交換方程式を提示し、両者の限界効用と価格の関係を明らかにします。 そして、この分析をn人の消費者とm種類の財が存在する一般的なケースに拡張し、需給一致の状態における交換の均衡について考察します。

第3編 生産と資本形成

第3編では、生産要素が投入され、財が生産されるプロセスが分析されます。 生産者は、生産要素の価格と生産技術に基づいて、利潤を最大化するように生産量を決定すると仮定されます。 ワルラスは、生産要素の需要と供給が一致する条件を導き出し、生産要素市場における均衡を分析します。 また、資本が生産要素としてどのように形成され、配分されるかも考察されます。

第4編 信用と貨幣

第4編では、交換を円滑にするための信用と貨幣の役割が分析されます。 ワルラスは、貨幣の価値が他の財と同様に、需給によって決定されると考えました。 そして、貨幣市場の均衡条件を導き出し、貨幣数量と物価水準の関係について考察します。 また、信用制度がどのように経済活動を促進するか、そして、信用過剰が経済にどのような影響を与えるかについても考察しています。

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