## ワルラスの純粋経済学要論の思考の枠組み
ワルラスの価値論
ワルラスは、古典派経済学の客観的価値論を批判し、需要と供給の相互作用によって価格が決まるとする限界効用理論に基づいた主観的価値論を展開しました。彼は、財の価値は、その財の限界効用によって決まると考えました。限界効用とは、財を消費することによって得られる追加的な満足度のことです。
一般均衡理論
ワルラスは、経済全体を包括的に分析する一般均衡理論を構築しました。彼は、複数の市場における需要と供給が相互に影響し合い、最終的に全ての市場で均衡価格が決定されると考えました。彼の理論は、経済を相互依存的なシステムとして捉え、市場メカニズムの働きを分析する上で重要な役割を果たしました。
ワルラス均衡
ワルラス均衡とは、全ての市場において需要と供給が一致し、価格が均衡状態にある状態を指します。ワルラスは、この均衡状態を数学的に表現し、その存在と安定性の条件を分析しました。彼の分析は、後の世代の経済学者に多大な影響を与え、一般均衡理論の発展に大きく貢献しました。
タトヌマーン
ワルラスは、均衡価格の決定プロセスを説明するために、架空のオークショニアである「タトヌマン」を導入しました。タトヌマンは、市場参加者から需要と供給の情報を受け取り、全ての市場で均衡価格が成立するまで価格を調整する役割を担います。