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ワルラスの純粋経済学要論の価値

ワルラスの純粋経済学要論の価値

限界革命における役割

レオン・ワルラスの『純粋経済学要論』(1874年)は、経済学の歴史において極めて重要な著作とされ、特に限界革命における役割は多大です。当時の経済学は、財の価値がどのように決定されるかについて、労働価値説と効用価値説の対立が続いていました。前者はアダム・スミスやダフィット・リカードといった古典派経済学者に支持され、財の価値はそれを生産するために必要な労働量によって決まると主張しました。一方、後者は財の価値はその財から得られる効用、つまり満足度によって決まると主張しましたが、体系的な理論構築には至っていませんでした。

一般均衡理論の構築

ワルラスは『要論』の中で、限界効用理論を数学的に厳密な形で展開し、財の価値がその財から得られる限界効用、すなわち追加的な一単位の消費から得られる効用によって決定されると主張しました。さらに、この限界効用理論を基に、複数の財や生産要素が存在する経済全体を、需要と供給が均衡する状態として捉える、一般均衡理論を構築しました。これは、個々の市場だけでなく、市場間の相互依存関係を分析することを可能にする画期的な業績でした。

後世の経済学への影響

ワルラスの『要論』は、ウィリアム・スタンレー・ジェヴォンズやカール・メンガーらの著作と共に、限界革命を牽引し、近代経済学の基礎を築いた重要な文献として位置づけられています。その影響は多岐にわたり、ミクロ経済学、マクロ経済学、計量経済学、さらにはゲーム理論といった現代経済学の様々な分野に及んでいます。

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