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ワトソンの行動主義の観点に影響を与えた本

ワトソンの行動主義の観点に影響を与えた本

パブロフ『条件反射』:行動主義の基礎を築いた名著

ロシアの生理学者イワン・パブロフの『条件反射』は、ジョン・B・ワトソンの行動主義心理学に多大な影響を与えた重要な一冊です。この本で紹介されているパブロフの犬の実験は、古典的条件付けのメカニズムを明らかにし、行動主義の基礎となる概念を提供しました。

パブロフの実験は、犬にベルの音を聞かせた直後に餌を与えることを繰り返すことで、ベルの音だけで唾液を分泌するようになることを証明しました。これは、本来は無関係な刺激(ベルの音)が、条件付けによって生体の反応(唾液分泌)を引き起こすことを示しています。

ワトソンは、パブロフの研究に深く感銘を受け、人間の行動も同様に環境からの刺激に対する反応として説明できると考えました。彼は、意識や感情といった内的プロセスではなく、観察可能な行動に焦点を当てた心理学を提唱し、行動主義の基礎を築きました。

『条件反射』で示された古典的条件付けの原理は、ワトソンの有名な「アルバート坊やの実験」にも応用されています。この実験では、生後11ヶ月の乳児に白いネズミを見せるのと同時に大きな音を鳴らすことを繰り返した結果、乳児はネズミだけでなく、白い毛皮のコートなど、似たような刺激に対しても恐怖反応を示すようになりました。

このように、『条件反射』は、ワトソンの行動主義心理学に決定的な影響を与え、人間の行動を理解するための新たな視点を提供したと言えるでしょう。

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