Skip to content Skip to footer

ワトソンの行動主義の観点からの価値

## ワトソンの行動主義の観点からの価値

###

価値の起源

ワトソンは、人間の行動はすべて、過去の経験に基づく学習の結果であると主張しました。 彼の行動主義理論では、意識や感情といった内的状態は観察不可能であるため、科学的な心理学の対象としては不適切であると考えられていました。 価値もまた、このような内的状態の一つとして捉えられました。

ワトソンは、価値観は生まれつき備わっているものではなく、環境との相互作用を通して学習されると考えました。 具体的には、古典的条件付けやオペラント条件付けといった学習メカニズムを通じて、特定の対象、行動、あるいは信念と、快・不快といった感情的な反応が結びつくことで、価値が形成されると説明しました。

###

価値の学習

古典的条件付けの観点からは、価値は、本来は中立的な刺激が、快あるいは不快をもたらす刺激と繰り返し対になることで形成されます。 例えば、幼い子供が、特定の種類の食べ物と、それを食べた後に感じる吐き気とを繰り返し結びつけることで、その食べ物に対する嫌悪感、つまり負の価値を学習する可能性があります。

一方、オペラント条件付けは、行動の結果として与えられる報酬や罰によって価値が形成されることを説明します。 例えば、努力して勉強した結果、良い成績(報酬)を得ることができれば、勉強に対する肯定的な価値観が強化されます。 逆に、怠惰な行動の結果、罰を受ける経験を繰り返すと、怠惰に対する負の価値が形成されます。

###

価値の行動への影響

ワトソンによれば、学習された価値観は、その後の行動を方向づける重要な要因となります。 人々は、肯定的な価値を持つと学習した行動を積極的に行おうとし、逆に、否定的な価値を持つと学習した行動は避けようとします。

例えば、正直であることに対する肯定的な価値観を強く持っている人は、たとえそれが不利な状況であっても、正直な行動を取ることが予想されます。 これは、過去の経験を通して、正直な行動が最終的に快をもたらす結果に繋がると学習しているためだと考えられます。

このように、ワトソンの行動主義は、価値観を、環境との相互作用を通して形成される学習された反応パターンとして捉え、それが人間の行動を予測し、制御するための重要な要素であると考えました。

Amazonで詳細を見る

Leave a comment

0.0/5