ワットの蒸気機関の改良と作者
改良点
ジェームズ・ワットは蒸気機関を発明したわけではありません。トーマス・ニューコメンによって1712年に発明された蒸気機関はすでに存在していました。しかし、ニューコメンの蒸気機関は効率が悪く、石炭の消費量が非常に多かったため、実用性に乏しいものでした。
ワットは1765年頃からニューコメンの蒸気機関の改良に取り組み始めました。彼が加えた最も重要な改良点は、**別置の復水器**の導入です。ニューコメンの蒸気機関では、シリンダー内で蒸気を冷やして復水させていましたが、この方法ではシリンダーが毎回温められ、冷やされるを繰り返すため、熱効率が非常に悪くなっていました。ワットはシリンダーとは別に復水器を設けることで、シリンダーの温度をほぼ一定に保ち、熱効率を大幅に向上させることに成功しました。
その他にも、ワットは**遊星歯車機構**や**遠心調速機**など、蒸気機関の効率と安定性を向上させる様々な改良を加えました。これらの改良により、ワットの蒸気機関はニューコメンの蒸気機関に比べてはるかに効率的で、様々な用途に使えるようになりました。
作者
**ジェームズ・ワット (James Watt)** (1736年1月19日 – 1819年8月25日) は、スコットランドの発明家、機械技術者です。蒸気機関の改良によって産業革命に多大な貢献をし、「蒸気機関の父」とも呼ばれます。