## ワイルドの幸福な王子の構成
構成
「幸福な王子」は、全5章からなる短編小説です。明確な章立てがされており、章ごとに場面や時間が転換していくのが特徴です。
各章のあらすじ
#### 第1章
生前は「幸福な王子」と呼ばれていた王子の像と、ツバメの出会いが描かれます。街を見下ろす高い台座の上にあった王子の像は、人々の貧しさや苦しみを目の当たりにし、持ち物の宝石や金箔をツバメに頼んで貧しい人々に分け与えるように頼みます。
#### 第2章
王子の像は、ツバメの協力を得て、貧しい人々に宝石や金箔を届け続けます。街の風景や人々の様子、そして次第に輝きを失っていく王子の像の姿が対比的に描かれます。
#### 第3章
冬が近づき、ツバメはエジプトへ渡ることをためらいますが、王子からの最後の頼みである盲目のマッチ売りの少女とその父親への援助を引き受けます。
#### 第4章
ツバメは王子のために街に残ることを決意しますが、寒さと疲労のため命を落とします。王子の像も、宝石と金箔を失い、鉛の心臓は悲しみにひび割れてしまいます。
#### 第5章
ボロボロになった王子の像は、役人に命じられて溶かされることになります。しかし、鉛の心臓だけは溶かすことができず、ごみ捨て場に捨てられます。天使が、神様の一番大切なものとして、王子の鉛の心臓と死んだツバメを天国へ連れて行く場面で物語は幕を閉じます。