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ワイルドのサロメの発想

## ワイルドのサロメの発想

オスカー・ワイルドとフランス文化

オスカー・ワイルドは、19世紀末のイギリスにおいて、耽美主義を代表する作家として知られています。彼は、アイルランドのダブリンで生まれましたが、オックスフォード大学で古典文学を学んだ後、ロンドンに移り住み、作家、詩人、劇作家として活躍しました。ワイルドは、フランスの象徴主義やデカダン派の影響を強く受け、その作品には、退廃的な美意識や官能的な表現が多く見られます。彼は、フランス語にも堪能で、フランスの文壇とも交流がありました。

サロメという題材

サロメは、新約聖書に登場する女性で、洗礼者ヨハネの首を切断するように命じたヘロディアの娘です。聖書の中では、サロメは名前も明らかにされておらず、脇役的な存在として描かれています。しかし、19世紀後半になると、サロメは、芸術家たちの間で、退廃的な美の象徴、あるいはファム・ファタール(運命の女)として、新たな解釈がなされるようになりました。ギュスターヴ・フローベール、ジュール・マサン、ギュスターヴ・モローといったフランスの作家や画家たちが、サロメを題材にした作品を発表しています。

戯曲「サロメ」の創作

ワイルドは、1891年に、フランス語で戯曲「サロメ」を執筆しました。この作品は、サロメがヨハネに肉体的な欲望を抱き、拒絶された復讐として、彼の首を求めるという、聖書とは異なる解釈に基づいています。ワイルドは、サロメを、純粋さと残酷さを併せ持つ、退廃的で妖艶な女性として描きました。

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