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ロビンソンの資本蓄積論の評価

## ロビンソンの資本蓄積論の評価

主要な貢献

ロビンソンの『資本蓄積論』(1956年) は、ケインズ経済学の短期分析の枠組みを克服し、長期的な経済成長と資本蓄積の関係を厳密な形で分析しようとした画期的な著作として評価されています。

新古典派成長理論への批判

ロビンソンは、当時の主流派経済学であった新古典派成長理論に対して、その非現実的な仮定や限界について鋭く批判しました。特に、資本を単一の同質的な生産要素として扱うことや、完全競争市場を前提とすること、技術進歩を外生的に扱うことなどに異議を唱えました。

資本論争における役割

『資本蓄積論』は、1960年代に巻き起こった「ケンブリッジ資本論争」の主要な論点を提供しました。この論争は、資本財の性質や測定可能性、資本集約度と利潤率の関係など、資本理論の根本的な問題に焦点を当てたものでした。

成長と分配の関係への着目

ロビンソンは、経済成長と所得分配の相互依存性を強調しました。賃金水準や利潤分配率の変化が、貯蓄率や投資水準に影響を与え、ひいては経済成長率を左右するというメカニズムを分析しました。

技術進歩の扱い

ロビンソンは、技術進歩を経済成長の主要なエンジンとみなしつつも、それを単なる外生的な要因として扱うのではなく、企業の行動や制度的要因と関連付けて分析しようとしました。

長期的な分析の重要性

ロビンソンは、短期的な経済変動だけでなく、長期的な経済成長の要因やメカニズムを分析することの重要性を強調しました。彼女の著作は、その後の経済成長理論やマクロ経済学の発展に大きな影響を与えました。

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