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ロビンソンの資本蓄積論の批評

## ロビンソンの資本蓄積論の批評

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完全競争市場への批判

ロビンソンのモデルは、完全競争市場を前提としています。しかし、現実の経済は、独占や寡占など、完全競争から乖離している側面も少なくありません。この点において、ロビンソンのモデルは現実経済を十分に反映しているとは言えないという批判があります。

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技術進歩の扱い

ロビンソンのモデルでは、技術進歩は外生的に与えられるものとして扱われています。しかし、現実の経済において、技術進歩は企業の研究開発活動などを通じて内生的に生み出される側面も重要です。技術進歩の内生性を考慮していない点は、ロビンソンのモデルの限界の一つとして指摘されています。

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需要サイドの軽視

ロビンソンのモデルは、供給サイド、特に資本蓄積のプロセスに焦点を当てた分析となっています。一方で、需要サイドの分析は比較的軽視されているという批判があります。ケインズ経済学などが重視する有効需要の概念が十分に考慮されていない点は、モデルの限界と言えるでしょう。

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資本論との関係性

ロビンソンの著作は、マルクスの資本論を批判的に継承したものとして位置づけられています。しかし、資本論の核心部分である労働価値説に対する立場が曖昧であるという指摘もあります。ロビンソン自身は、資本論の数学的基礎付けを試みたとされていますが、その解釈には議論が残されています。

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