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ロビンソンの資本蓄積論に関連する歴史上の事件

## ロビンソンの資本蓄積論に関連する歴史上の事件

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世界恐慌 (1929-1930年代)

1929年に始まった世界恐慌は、資本主義経済が抱える構造的問題を露呈させ、ロビンソンの資本蓄積論が注目を集めるきっかけの一つとなりました。世界恐慌は、過剰生産、投機の過熱、所得格差の拡大などが複雑に絡み合って発生したとされています。

ロビンソンは、資本主義経済においては、利潤追求を目的とした資本蓄積が、必然的に経済の不安定化をもたらすと主張しました。世界恐慌は、まさに彼女の理論を裏付けるかのような出来事でした。需要不足と投資の停滞が深刻な失業と生産の落ち込みを引き起こし、資本主義経済は深刻な危機に陥ったのです。

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ケインズ革命と戦後の経済成長

世界恐慌を克服するために、ケインズは政府による積極的な財政政策の必要性を説いた「ケインズ革命」が起こりました。これは、有効需要の不足を補うために、政府が公共事業などを通じて支出を増やし、経済を刺激するという考え方です。

ロビンソンの理論は、ケインズ経済学と対比されることもしばしばありますが、両者は対立するものではなく、補完的な関係にあると考えることもできます。ロビンソン自身も、ケインズの有効需要の原理を認めつつ、より長期的な視点から資本蓄積の問題を分析しました。

戦後の資本主義経済は、ケインズ政策の影響もあり、比較的安定した成長を遂げました。しかし、ロビンソンは、この成長が一時的なものであり、資本主義経済が本質的な問題を克服したわけではないと警告を発し続けました。

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1970年代のスタグフレーション

1970年代に入ると、資本主義経済は再び深刻な危機に直面しました。石油危機をきっかけに、先進国ではインフレーションと景気後退が同時に進行する「スタグフレーション」という現象が発生したのです。

スタグフレーションは、それまでの経済学では説明のつかない現象であり、ケインズ政策の有効性が疑問視されるようになりました。ロビンソンは、スタグフレーションの原因は、資本蓄積の停滞と、それに伴う労働者階級の生活水準の低下にあると分析しました。

ロビンソンは、スタグフレーションからの脱却のためには、単なる需要管理政策ではなく、所得分配の是正や労働者の交渉力の強化など、資本主義経済の構造改革が必要であると主張しました。

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グローバリゼーションと金融危機

1980年代以降、新自由主義的な経済政策が世界的に広がりを見せ、グローバリゼーションが進展しました。その結果、国際的な資本移動が活発化し、金融市場が巨大化しました。

ロビンソンは、グローバリゼーションと金融市場の自由化が、資本蓄積の不安定化を加速させると批判しました。彼女は、金融市場の投機的な動きが実体経済から乖離し、バブルの発生と崩壊を繰り返すことで、経済危機のリスクを高めると警告を発しました。

実際に、1997年のアジア通貨危機や2008年のリーマン・ショックなど、グローバリゼーションの進展とともに金融危機が頻発するようになりました。これらの出来事は、ロビンソンの資本蓄積論の現代的な relevance を示すものと言えるでしょう。

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