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ロビンソンの資本蓄積論と時間

## ロビンソンの資本蓄積論と時間

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時間

ジョーン・ロビンソンの主著『資本蓄積論』(1956) において、時間は重要な役割を果たしています。彼女は、新古典派経済学における時間の扱いを批判し、歴史時間における資本蓄積のプロセスを分析しようと試みました。

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時間の概念

ロビンソンは、時間を**論理的時間**と**歴史的時間**に区別しました。

* **論理的時間**: これは、新古典派経済学で用いられる時間概念であり、可逆的で均質な時間として捉えられます。未来は完全に予測可能であり、経済主体は完全な情報を持つと仮定されます。
* **歴史的時間**: これは、不可逆的で非均質な時間です。未来は不確実であり、経済主体は完全な情報を持たず、過去の経験や学習に基づいて行動します。

ロビンソンは、経済分析において歴史的時間を取り入れることの重要性を強調しました。

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資本蓄積と時間

ロビンソンは、資本蓄積が歴史的時間の中で行われるプロセスであることを強調しました。資本蓄積は、過去の投資決定と技術進歩の影響を受けます。また、資本蓄積は、将来の経済構造や所得分配に影響を与えます。

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不確実性と期待

歴史的時間においては、未来は不確実です。 企業は、将来の需要や技術変化を完全に予測することはできません。そのため、企業は期待に基づいて投資決定を行います。期待は、過去の経験や現在の経済状況、政府の政策など様々な要因に影響されます。

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時間の分析の重要性

ロビンソンは、経済分析において時間を適切に扱うことの重要性を主張しました。彼女は、論理的時間に基づく新古典派経済学は、現実の経済を理解するためには不十分であると批判しました。歴史的時間を取り入れることで、資本蓄積、技術進歩、所得分配などの動態的なプロセスをより深く理解できると彼女は考えました。

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