ロックの統治二論の機能
機能1:絶対王政への反論
ジョン・ロックの『統治二論』は、1688年の名誉革命を正当化するために書かれたものであり、その中心的な機能の一つは、当時のイングランドで広く信じられていた王権神授説に基づく絶対王政を論駁することにありました。ロックは、人間は生まれながらにして自由で平等な存在であるという自然状態の概念を打ち出し、いかなる君主も神から無制限の権力を与えられているわけではないと主張しました。
機能2:市民政府の正当性の根拠の提示
ロックは、統治される側の同意を基盤とした政府の概念を提唱しました。彼は、人々が自然状態から政治社会に移行するのは、生命、自由、財産といった自然権をより安全に保障するためであると論じました。政府の権力は、被治者の同意によってのみ正当化され、その権力は、被治者の権利を保護することに限定されるとしました。
機能3:抵抗権の理論的根拠
『統治二論』は、政府が被治者の権利を侵害する場合、人民は抵抗する権利を持つという革命権を主張しました。これは、政府の権力は無制限ではなく、被治者の同意に基づいているというロックの主張から導き出される論理的な帰結でした。抵抗権の主張は、当時の政治思想において非常に革新的であり、後のアメリカ独立宣言やフランス人権宣言にも大きな影響を与えました。
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