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ロックの統治二論の分析

## ロックの統治二論の分析

第一論の分析

ジョン・ロックの『統治二論』は、政治哲学の古典として広く知られる作品です。第一論は、ロバート・フィルマーの『パトリアーチャ』に対する反論として書かれ、絶対君主制を擁護する理論に真っ向から挑んでいます。ロックはフィルマーが主張する、アダムの絶対的な支配権が父親から息子へと受け継がれていき、最終的に君主へと繋がるという考えを否定します。

ロックは、聖書を解釈し、アダムとその子孫に与えられた支配権は政治的なものではなく、あくまで家族の秩序を守るための父権的なものに過ぎなかったと主張します。また、仮にアダムが絶対的な支配権を持っていたとしても、それは彼の子孫に正当に受け継がれるものではないと論じます。なぜなら、誰がアダムの正当な相続人であるかを判断する客観的な基準は存在しないからです。

第二論の分析

第二論では、ロックは自然状態という概念を用いて、政治社会の起源と政府の正当性について論じています。自然状態とは、いかなる政治的な権力も存在しない状態を指します。ロックは、自然状態は決して無法状態ではなく、自然法と呼ばれる道徳的な法則によって支配されていると主張します。自然法は、すべての人に等しく適用され、生命、自由、財産といった基本的な権利を保障するものです。

しかし、自然状態では、個人が自分の権利を侵害された場合、それを裁く共通の権力がないため、紛争が絶えず発生する可能性があります。そこで、人々は自らの権利をより確実に保障するために、社会契約によって政治社会を形成し、政府を設立するのです。

ロックは、政府の権力は、被治者の同意に基づくものであり、その目的は個人の権利を保護することにあると強調します。もし政府がその権力を乱用し、被治者の権利を侵害するような場合には、人民は抵抗する権利を持つと主張します。

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