## ロックの統治二論のメッセージ
###
自然状態
ロックは、統治二論の中で、まず自然状態と呼ばれる状態について論じています。自然状態とは、いかなる政府も存在しない状態を指します。ロックによれば、自然状態は、全ての人間が完全な自由と平等を享受する状態です。
自然状態において、人々は「自然法」と呼ばれる道徳律に束縛されています。自然法は、神によって与えられたものであり、理性によって知ることができます。自然法は、生命、自由、財産の保有を含む、人間の基本的な権利を保障しています。
しかし、自然状態では、各自が自然法を解釈し、執行する権利を持つため、紛争が生じやすい状態でもあります。自分の権利が侵害されたと感じる人がいれば、自分で復讐を行う可能性があります。このような状態は、社会全体にとって不安定なものとなります。
###
政治社会と政府の設立
自然状態の不安定さを解消するために、人々は互いに合意に基づいて政治社会を形成し、政府を設立します。政府の役割は、自然法を明確化し、執行すること、そして、個人間の紛争を公正に解決することです。
ロックは、政府の権力は、被治者の同意に基づいていなければならないと主張しました。これは、政府が、被治者の権利を侵害するために利用されるべきではないからです。政府が、その権力を乱用した場合、人民は抵抗する権利を持つとロックは主張しています。
###
抵抗権と革命権
ロックは、統治二論の中で、人民が政府に抵抗する権利、さらには革命を起こす権利を認めました。政府が、被治者の生命、自由、財産を侵害したり、被治者の同意なしに権力を掌握したりした場合、人民は政府に抵抗する権利を持つと主張しています。
抵抗権は、専制政治を防ぎ、人民の自由を保障するための重要な権利です。ロックは、抵抗権の行使は、最終手段としてのみ行われるべきであると強調しています。しかし、政府が、人民の権利を著しく侵害する場合、人民は、革命を起こし、新しい政府を樹立する権利を持つと主張しています。
Amazonで詳細を見る
読書意欲が高いうちに読むと理解度が高まります。