## ロックの統治二論に匹敵する本
###
ジャン=ジャック・ルソー, 社会契約論 (1762年)
**概要:**
* ルソーの代表作であり、政治哲学の古典とされる。
* 自然状態の人間は自由で平等であったが、社会の形成とともに不平等と抑圧が生じたと主張する。
* 社会契約によって個人の自由を最大限に保障しつつ、共同体全体の幸福を実現する理想的な国家のあり方を論じる。
**影響:**
* フランス革命をはじめとする市民革命に大きな影響を与えた。
* 人民主権、自由と平等の理念は、近代民主主義の基礎を築いた。
* 今日においても、政治哲学、社会学、教育学など、幅広い分野で議論の的となっている。
###
シャルル・ド・モンテスキュー, 法の精神 (1748年)
**概要:**
* ロックの思想を継承しつつ、権力分立論を体系的に展開した。
* 国家権力を立法権、行政権、司法権の三つに分け、それぞれを異なる機関に委ねることによって、権力の集中と専制を防ぐべきだと主張した。
* 各国の歴史や風土を比較分析し、それぞれの国に適した政治体制は異なるという「政治的多元論」を唱えた。
**影響:**
* アメリカ合衆国憲法をはじめ、多くの国の憲法制定に影響を与えた。
* 権力分立の原則は、近代立憲主義の重要な柱となっている。
* 政治制度を歴史的、社会的な文脈の中で捉える視点は、現代の比較政治学にも通じている。