## ロックの寛容についての書簡の発想
ロックの宗教的背景
ジョン・ロック(1632-1704)は、イングランド内戦(1642-1651)を含む激動の時代に生まれ育ちました。この内戦は、宗教的な対立が大きな要因の一つでした。ロック自身は、プロテスタントの一派であるピューリタンの家庭に生まれ、敬虔なキリスト教徒として育ちました。
寛容論が書かれた時代背景
ロックが「寛容についての書簡」を執筆した17世紀後半のイングランドは、カトリックとプロテスタントの間で激しい宗教的対立が続いていました。当時、イングランド国教会への信仰が義務付けられており、他の宗派は迫害の対象となっていました。ロック自身も、宗教的な自由を求めて一時的に国外に亡命した経験を持っていました。
寛容論の内容
「寛容についての書簡」の中でロックは、政府は個人の宗教的な信念に干渉すべきではないと主張しました。彼は、個人が自らの良心にしたがって信仰を選ぶ自由を擁護し、国家が特定の宗教を押し付けることは正当化されないと考えました。
寛容論の影響
「寛容についての書簡」は、出版当時から大きな反響を呼びました。ロックの思想は、宗教的な寛容の概念を広める上で重要な役割を果たし、後のアメリカ合衆国憲法における「政教分離の原則」にも影響を与えたと言われています。