ロックの人間知性論の関連著作
ライプニッツ「人間知性新論」
ライプニッツの『人間知性新論』は、ロックの『人間知性論』に対する直接の批判として書かれた、哲学史上重要な著作です。ライプニッツはロックの経験論に真っ向から反対し、人間の心に生得的な観念が存在すると主張しました。
バークリー「人間知識の諸原理論」
ジョージ・バークリーは、ロックの経験論をさらに推し進めた哲学者です。彼は『人間知識の諸原理論』の中で、物質は存在せず、私たちが認識するのは感覚と観念だけであるという「観念論」を展開しました。バークリーは、ロックが「物質」の存在を認めたことが、懐疑論に陥る危険性を孕んでいると批判しました。
ヒューム「人間本性論」
デイヴィッド・ヒュームは、ロックの経験論の影響を強く受けたスコットランドの哲学者です。彼は『人間本性論』の中で、因果関係や自己同一性といった概念は、経験によって正当化できないと主張し、懐疑論的な立場をとりました。ヒュームは、ロックが「因果関係」を自明のものとして扱っている点を批判し、より徹底した経験論を展開しました。