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ロックの人間知性論の機能

## ロックの人間知性論の機能

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認識論の確立

ロックの『人間知性論』は、知識の起源、確実性、範囲を探求することで、認識論という哲学の一分野を確立することを主要な機能の一つとしています。

ロック以前は、人間は生得的な観念や原則を持って生まれるという、デカルトなどを代表とする合理主義が知識の起源についての支配的な見解でした。 しかしロックは、経験こそが知識の唯一の源泉であるという経験論の立場を取り、人間の心は生まれた時は白紙の状態(タブラ・ラサ)であり、あらゆる観念は感覚経験と内省(内的経験)を通じて後天的に形成されると主張しました。

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観念の起源と分類の提示

ロックは、知識の構成要素である「観念」の起源と分類を詳細に分析しています。

まず、観念の起源として、外界からの感覚によって得られる「単純観念」と、心の内的な操作によって生み出される「反省観念」の二つを提示しました。 単純観念は、五感を通じて直接的に得られる感覚的性質(色、形、音など)に関するものであり、反省観念は、知覚、思考、疑い、信念といった心の働きに関するものです。

そして、ロックは単純観念が組み合わさり、抽象化されることで、より複雑な「複合観念」が形成されると説明します。 例えば、「リンゴ」という複合観念は、赤色、丸い形、甘い味といった複数の単純観念が組み合わさって成立します。

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言語の役割と限界の考察

ロックは、言語が知識の獲得と伝達において重要な役割を果たすと認めつつも、その限界についても深く考察しています。

言語は、観念を表現し、他者とコミュニケーションをとるための便利な道具ですが、 言葉そのものが知識の源泉となるわけではありません。 むしろ、言語の誤用や曖昧さは、誤解や知識の歪みを生み出す可能性も孕んでいます。

ロックは、言語の限界を克服し、真実に到達するためには、言葉の定義を明確にし、観念と事物との対応関係を注意深く吟味する必要があると主張しました。

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読書意欲が高いうちに読むと理解度が高まります。

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