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ロックの人間知性論の構成

ロックの人間知性論の構成

第一巻 我々の観念の起源について

第一巻では、人間が知識を持つ以前の心の状態について論じ、あらゆる知識の源泉は経験であるという経験論の立場を明らかにします。

ロックは、生得的な観念や原理を否定し、心は生まれた時は白紙の状態(タブラ・ラサ)であると主張します。そして、我々の持つあらゆる観念は、感覚による経験と、内的な心の働きである反省の二つから生じると説明します。

感覚による経験とは、外界の事物を知覚することによって得られる単純観念であり、反省とは、記憶、思考、 volition(意欲)、推理といった、自身の内的活動から得られる単純観念です。

第二巻 観念について

第二巻では、第一巻で説明した観念を、単純観念と複合観念に分類し、それぞれの観念について詳しく考察します。

単純観念とは、感覚や反省によって直接的に心に与えられる、それ以上分解できない基本的な観念です。例えば、赤、白、熱、冷、硬、軟などの質や、思考、運動などの心の作用などが挙げられます。

複合観念とは、単純観念を組み合わせたり、結びつけたりすることによって構成される観念です。例えば、美、感謝、人間、軍隊、宇宙などの観念が挙げられます。

ロックは、複合観念には、様相、実体、関係という三つの種類があると主張します。様相とは、他のものを規定する仕方や様態を指し、実体とは、様相の基体となるものを指します。関係とは、複数の観念を比較したり、結びつけたりすることによって成り立つ観念です。

第三巻 言葉について

第三巻では、言葉が観念の記号として機能すること、そして、言葉の誤用が知識の獲得や伝達を阻害することを論じます。

言葉は、人間が思考やコミュニケーションを行う上で不可欠な道具です。しかし、言葉はあくまで観念の記号に過ぎず、それ自体が知識を持っているわけではありません。

言葉は、誤用されることで、誤解や混乱を生み出す可能性があります。例えば、抽象的な言葉や、定義が曖昧な言葉は、誤解や論争の原因となります。

第四巻 知識について

第四巻では、知識を「観念の合致または不一致の知覚」と定義し、知識の種類や範囲、限界について考察します。

ロックは、知識には、直感的知識、論証的知識、感覚的知識の三種類があると主張します。直感的知識とは、二つの観念が一致または不一致することが直ちに明白であるような知識です。論証的知識とは、推論によって導き出される知識です。感覚的知識とは、外界の事物に関する知識です。

ロックは、人間の知識には限界があり、全てを知ることはできないと主張します。

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