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ロックの人間知性論に匹敵する本

## ロックの人間知性論に匹敵する本

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デカルト「方法序説」

「我思う、ゆえに我あり」という有名な命題で知られるこの書は、近代哲学の出発点と見なされるほどの影響力を持つ。ロックの経験論とは対照的な合理主義の立場から、人間の理性に基づいた確実な知識の獲得を目指す方法を提示した。

デカルトは、それまでの伝統的な権威や感覚に頼った知識体系を批判し、疑うことから出発する「方法的懐疑」を提唱する。そして、「明晰かつ判明」に知覚できるものだけを真理として受け入れることで、揺るぎない知識体系を築き上げることができると主張した。

「方法序説」は、哲学のみならず、数学や自然科学など幅広い分野に影響を与え、近代的な思考方法の基礎を築いた点で「人間知性論」に匹敵する重要な著作と言えるだろう。

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ヒューム「人性論」

経験論の立場から人間の知性、道徳、感情などを分析した大著。「理性は情念の奴隷である」という有名な言葉に象徴されるように、理性中心主義的な西洋近代哲学の伝統に、人間の感情や経験の重要性を改めて認識させた。

ヒュームは、人間の知識はすべて経験から生まれると主張し、因果関係や自己同一性といった概念についても、経験的な習慣に基づいたものであると論じた。この主張は、当時の哲学界に大きな衝撃を与え、カントの批判哲学を生み出すきっかけの一つとなった。

「人性論」は、ロックの経験論を発展させ、人間の心の働きについてより深く分析した点で「人間知性論」に匹敵する重要な著作と言えるだろう。また、道徳や政治、歴史、宗教など幅広い分野にわたる考察を含んでおり、現代社会においても重要な示唆を与え続けている。

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