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ロックの人間知性論からの学び

## ロックの人間知性論からの学び

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人間の心の白紙状態(タブラ・ラサ)

ロックは、人間が生まれながらにして持つ知識というものを否定し、 心は生まれた時は白紙の状態であるという「白紙状態(タブラ・ラサ)」の概念を提唱しました。 これは、我々が持つ知識や観念は全て、経験を通して後天的に形成されるという主張です。 経験には、感覚による外界からの情報取得である「感覚経験」と、 内的な思考や感情の働きである「反省」の二つがあるとされます。

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観念の起源と種類

ロックは、我々の思考の素材となる「観念」が、全て経験に由来すると考えました。そして、観念には、五感を通じて得られる「単純観念」と、いくつかの単純観念が組み合わさってできる「複合観念」の二つがあるとしました。 例えば、「赤」「丸い」「甘い」といった個別の感覚は単純観念ですが、それらが組み合わさって「りんご」という複合観念が形成されます。

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言語の役割と限界

ロックは、言語を「観念の伝達手段」として捉え、その役割を重視しました。 しかし一方で、言語はあくまでも観念を表現する手段に過ぎず、 言語と現実の事物との間には隔たりが存在することも指摘しています。 つまり、言葉が指し示す対象と、その言葉から我々が思い描くイメージは、必ずしも一致するとは限らないということです。

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政治思想への影響

ロックの思想は、政治哲学にも大きな影響を与えました。 特に「統治二論」においては、 人間は生まれながらにして「自然権」を有しており、 国家は人々の合意に基づいて成立するという「社会契約説」を展開しました。 これは、個人の自由と権利を重視し、 専制的な支配を否定するものであり、 後の近代民主主義思想の基礎となりました。

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