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ロストフツェフのヘレニズム世界社会経済史の構成

## ロストフツェフのヘレニズム世界社会経済史の構成

第1章 序論

 本章では、まずヘレニズム時代を紀元前323年のアレクサンドロス大王の死から紀元前30年のプトレマイオス朝の滅亡までの約300年間と定義し、その時代区分と範囲について議論します。
 続いて、当時の史料状況について概観し、文学作品、碑文、パピルス文書、貨幣など、多岐にわたる史料の特徴と限界を指摘します。
 最後に、本書の構成と執筆方針について述べ、政治史ではなく社会経済史という視点からヘレニズム世界を分析していくことを表明します。

第2章 マケドニアとギリシア

 本章では、ヘレニズム世界の母体となったマケドニアとギリシアについて、アレクサンドロス大王の東方遠征以前の社会経済構造を概観します。
 マケドニアについては、王権と貴族の関係、農村社会の構造、経済活動の特徴などを分析します。
 ギリシアについては、ポリス国家体制の特質、農業と商業の状況、奴隷制の役割などについて考察します。

第3章 ヘレニズム諸王国

 本章では、アレクサンドロス大王の死後に成立したヘレニズム諸王国、すなわちプトレマイオス朝エジプト、セレウコス朝シリア、マケドニア王国、その他群小国家の政治体制と社会構造を比較分析します。
 特に、王権と都市、ギリシア人とオリエント人、伝統と革新といった対比軸から、ヘレニズム世界における多様性と共通性を浮き彫りにします。

第4章 都市と経済

 本章では、ヘレニズム時代の都市が政治、経済、文化の中心地としての役割を担っていたことを強調し、その構造と機能を詳しく分析します。
 都市の規模と人口、都市計画、公共施設、社会階層、経済活動などを具体的に記述し、ヘレニズム都市におけるギリシア文化とオリエント文化の融合現象を指摘します。

第5章 農業

 本章では、ヘレニズム世界における農業の重要性を指摘し、その生産様式、土地所有、農村社会の構造などを分析します。
 エジプトの穀物生産、シリアのオリーブ栽培、小アジアの羊毛生産など、地域的な特色にも注目し、王権と神殿の土地所有、ギリシア人入植者の活動、農民の生活実態などを明らかにします。

第6章 商業

 本章では、ヘレニズム時代における商業の拡大と国際化現象に焦点を当て、その要因と影響を考察します。
 東西交易ルート、主要交易都市、交易品目、商業組織、金融システムなどを分析し、ヘレニズム世界における経済的相互依存関係を明らかにします。

第7章 社会と文化

 本章では、ヘレニズム時代の社会階層、家族と女性、教育と宗教、文学と芸術など、多岐にわたる側面から当時の社会と文化を分析します。
 ギリシア文化の東方への波及とオリエント文化の影響、ヘレニズム世界の国際性と地域性、伝統と革新の相互作用などを明らかにします。

第8章 結論

 本章では、本書全体を総括し、ヘレニズム世界における社会経済構造の特徴と変遷を要約します。
 さらに、ヘレニズム時代に対する評価と、後世への影響について考察します。

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