ロストフツェフのヘレニズム世界社会経済史の感性
ロストフツェフの史観
：近代主義史観
ロストフツェフは、古代ギリシアを研究対象とし、特にヘレニズム時代を専門とする歴史家でした。彼の代表作『ヘレニズム世界社会経済史』(原題: The Social and Economic History of the Hellenistic World) は、ヘレニズム時代を、古代ギリシアの衰退期とみなす従来の見方を覆し、オリエントとギリシア文化が融合した、国際的で活気のある時代として描き出しました。
ロストフツェフの感性
：近代資本主義社会との類似性への着目
ロストフツェフは、ヘレニズム時代を、貨幣経済の発展、都市の繁栄、国際的な交易ネットワークの拡大など、近代資本主義社会と類似した特徴を持つ時代として捉えました。彼は、膨大な文献資料や考古学的資料を駆使し、ヘレニズム時代の社会経済構造を詳細に分析しました。
彼の近代主義的な視点は、当時の歴史学に大きな影響を与え、ヘレニズム時代に対する評価を大きく変えました。しかし、その一方で、ヘレニズム時代を現代に投影しすぎているという批判も存在します。