レーニンの帝国主義論の関連著作
ホブソン、J. A. 『帝国主義論』 (1902年)
レーニンが自著で頻繁に引用し、大きな影響を受けた作品。ホブソンはイギリスの経済学者で、本書で資本主義社会における過剰な貯蓄と過少消費の問題が帝国主義の原因であると主張しました。彼は、先進国の資本家が国内市場では投資機会を見つけられず、利潤を求めて植民地獲得競争に走ると論じました。
ホブソンは、帝国主義は道徳的に問題であるばかりでなく、経済的にも母国にとって利益をもたらさない側面があると批判しました。彼は、帝国主義は少数の資本家だけに利益をもたらし、大多数の人々には負担を強いると主張しました。
ヒルファディング、ルドルフ 『金融資本論』 (1910年)
ドイツのマルクス主義経済学者ヒルファディングの主著。彼は本書で、銀行と産業資本が融合して「金融資本」が形成される過程を分析し、それが帝国主義の原動力となると論じました。
ヒルファディングは、金融資本は巨大な経済力を持つようになり、国家権力を利用して海外進出を図ると主張しました。彼はまた、金融資本の支配が資本主義を新たな段階、すなわち帝国主義の段階へと移行させたと論じました。
ブハーリン、ニコライ 『世界経済と帝国主義』 (1915年)
ロシア革命の指導者の一人であるブハーリンの著作。彼は本書で、資本主義の国際的な発展と帝国主義の関係を分析しました。ブハーリンは、資本主義は本質的に世界市場を形成する傾向を持ち、それが国家間の競争と対立を激化させると論じました。
彼は、帝国主義を「世界経済における資本主義の最高の段階」と定義し、資本主義の必然的な帰結として捉えました。ブハーリンは、帝国主義は戦争と革命をもたらす可能性があると警告しました。
これらの著作は、いずれもレーニンの帝国主義論に影響を与えたと考えられており、帝国主義の経済的・政治的側面を理解する上で重要な視点を提供しています。