レーニンの帝国主義論の表現
レーニンの帝国主義論における特徴的な表現
レーニンの『帝国主義論』は、マルクス主義の立場から帝国主義を資本主義の最高段階と規定し、その本質を鋭く分析した著作として知られています。本稿では、その主張内容ではなく、あくまで表現に着目し、客観的な視点からその特徴を記述します。
論敵への激しい攻撃
レーニンは本書において、カウツキーに代表される修正主義者や、ブルジョワ経済学者たちを「御用学者」と呼び、彼らの帝国主義論を痛烈に批判しています。その表現は、「愚劣な」「笑止千万な」といった辛辣な言葉を用いるなど、非常に攻撃的なものとなっています。
豊富な統計データと文献引用
レーニンの主張は、豊富な統計データや、経済学者、政治家、ジャーナリストなど多岐にわたる文献の引用によって裏付けられています。これは、自らの主張の客観性を担保するためであると同時に、読者に対する説得力を増す効果も狙っていたと考えられます。
比喩や皮肉を交えた分かりやすい表現
レーニンは難解な経済用語を用いるだけでなく、比喩や皮肉を交えた分かりやすい表現を用いることで、一般の労働者にも理解しやすいように工夫を凝らしています。例えば、帝国主義を「資本主義の寄生体」「腐敗の時代」と表現するなど、読者の印象に残るような強い言葉を用いています。
簡潔で力強い文章
レーニンの文章は、一文一文が短く、簡潔で力強い点が特徴です。これは、当時のロシアの労働者階級にも理解しやすいようにとの配慮があったと考えられます。また、断定的な表現を多用することで、自らの主張に対する強い自信を示しています。