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レーニンの帝国主義論の思考の枠組み

## レーニンの帝国主義論の思考の枠組み

レーニンは、1916年に発表した『帝国主義、資本主義の最高段階』の中で、独自の帝国主義論を展開しました。彼の分析は、マルクスの資本主義論を継承・発展させつつ、当時の世界情勢を鋭く捉えたものでした。以下では、レーニンの帝国主義論における主要な概念や論点を、推測を交えずに解説していきます。

1. 資本主義から帝国主義へ

レーニンは、帝国主義を「資本主義の特別な段階」と規定しました。彼によれば、19世紀末から20世紀初頭にかけて、資本主義は新たな段階、すなわち帝国主義の段階へと移行したとされます。この段階への移行は、資本主義社会内部における一定の発展の結果として生じたものです。

2. 生産と資本の集中

レーニンは、資本主義の進展とともに、生産と資本の集中が進行すると論じました。自由競争の結果、少数の巨大企業が市場を支配するようになり、独占資本主義が出現します。

3. 銀行資本と産業資本の融合

独占が進むにつれて、銀行は巨大企業への融資を通じて、経済全体に対する影響力を増大させます。こうして、銀行資本と産業資本は相互に浸透し合い、金融資本と呼ばれる新たな形態の資本が出現します。

4. 資本輸出の重視

レーニンは、帝国主義において資本輸出が重要な役割を果たすと考えました。国内市場が飽和状態に達すると、資本家は利潤率の高い海外市場に資本を輸出するようになります。

5. 世界の分割と植民地争奪

資本輸出の促進は、列強による世界の分割と植民地争奪を激化させます。レーニンは、帝国主義列強が世界を植民地と宗主国という形で分割し、経済的・政治的に支配していると指摘しました。

6. 帝国主義戦争

レーニンは、帝国主義の段階では、列強間の対立が不可避的に戦争を引き起こすと考えました。植民地や勢力圏をめぐる争いが、最終的には世界大戦へと発展すると予測しました。

レーニンの帝国主義論は、その後の歴史の展開に大きな影響を与えました。彼の分析は、植民地支配からの解放を目指す運動や、資本主義社会の矛盾を批判する立場から高く評価されています。

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