ルターのキリスト者の自由を読んだ後に読むべき本
ルターをもっと深く知るために
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ローランド・ベイントン著「宗教改革者ルター」**
ルターの「キリスト者の自由」は、信仰のみによる義認や聖書への回帰といった、宗教改革の中心思想を簡潔に力強く示した書です。しかし、この書を真に理解するためには、ルターという人物、そして彼が巻き起こした宗教改革という歴史的事件について、より深く知る必要があるでしょう。
そこで本書、「宗教改革者ルター」をお薦めします。著者のローランド・ベイントンは20世紀を代表する宗教改革史研究者であり、本書はルターの生涯と業績を平易な文章で描き出した名著として知られています。
本書を読むことで、読者はルターの生きた時代背景、彼の人間性、そして彼の思想が形成された過程をより深く理解することができます。ルターの情熱、苦悩、そして揺るぎない信念に触れることで、「キリスト者の自由」で彼が主張したかったことがより明確に浮かび上がってくるでしょう。
信仰と自由の深淵へ
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ディートリヒ・ボンヘッファー著「弟子道」**
「キリスト者の自由」でルターは、キリスト者にはあらゆる束縛からの自由があると説きました。しかし同時に、真のキリスト者は信仰によって自由に仕える者となるのだと主張します。では、この「自由における従順」とは具体的に何を意味するのでしょうか?
この問いに対して、20世紀のルター派神学者ボンヘッファーの「弟子道」は深い洞察を与えてくれます。ナチス政権への抵抗運動に身を投じ、自らの命を賭して信仰を貫いたボンヘッファーは、真のキリスト者とは「高価な弟子」、すなわち、自己の全てを投げ打ってでもキリストに従う者であると説きます。
「弟子道」を読むことは、キリスト者の自由が単なる自己中心的で無責任な自由ではなく、むしろキリストへの絶対的な献身と、世界における責任ある行動へと私たちを導くものであることを深く理解する旅となるでしょう。