Skip to content Skip to footer

ルソーの社会契約論の仕組み

## ルソーの社会契約論の仕組み

###

自然状態からの脱却

ルソーは、人間は本来「自然状態」において自由で平等であったと論じます。自然状態では、自己保存の欲求と、他者への同情という自然感情に導かれていました。しかし、文明の発達と共に私有財産制度が出現すると、人間関係は競争と不平等に満ちたものへと変容します。結果として、自然状態における自由と平等は失われ、争いが絶えない状態に陥ってしまうとルソーは考えました。

###

社会契約と一般意志

このような状況から脱却し、自由と平等を回復するために、人々は「社会契約」を結ぶことを選択します。社会契約とは、各個人が自身の権利・自由・力の全てを共同体に譲渡する契約です。重要なのは、個々の権利を他の個人ではなく、「共同体」に対して譲渡するという点です。

この共同体において形成されるのが「一般意志」です。一般意志とは、共同体の構成員全員の共通の利益を目的とする意志であり、個々の特殊意志の総和とは異なります。ルソーは、真の自由とは、この一般意志に従うことによってのみ達成されると考えました。

###

主権と人民

社会契約によって形成された共同体において、主権は人民に属します。人民は、共同体における最高権力者として、一般意志に基づいて政治を行います。ただし、ルソーは人民による直接民主制を想定していたわけではありません。

###

統治機構

ルソーは、一般意志の実現のためには、立法権と行政権の分離が必要であると考えました。立法権は、一般意志に基づいて法律を制定する権力であり、人民自身によって行使されます。一方、行政権は、制定された法律を執行する権力であり、政府によって行使されます。政府は人民の代表者として、一般意志に従って統治を行う義務を負います。

Amazonで詳細を見る
読書意欲が高いうちに読むと理解度が高まります。

Leave a comment

0.0/5