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ルソーの学問芸術論を読む前に

ルソーの学問芸術論を読む前に

ルソーの人物像を知る

ジャン=ジャック・ルソー(1712-1778)は、18世紀フランス啓蒙時代を代表する思想家の一人です。彼の思想は、フランス革命やその後のロマン主義運動に大きな影響を与えました。ルソーは、
「人間は生まれながらにして自由であり、平等である」という性善説を唱え、社会や文明によって人間が堕落させられていると主張しました。

ルソーの思想は、当時の社会通念を根底から覆すものであり、多くの論争を巻き起こしました。彼の代表作である『社会契約論』や『エミール』などは、現代においてもなお重要な古典として読み継がれています。

執筆当時の時代背景を理解する

ルソーが『学問芸術論』を執筆した18世紀フランスは、啓蒙主義の真っただ中でした。啓蒙主義とは、理性に基づいて社会を改革しようとする思想運動であり、フランスではヴォルテールやモンテスキューといった思想家たちが活躍していました。

当時のフランス社会は、絶対王政の下で貴族階級が特権をほしいままにする一方で、市民階級は政治的な発言権を認められていませんでした。また、カトリック教会が強い影響力を持つ社会であり、理性や科学よりも信仰が重視されていました。

『学問芸術論』が書かれた背景を知る

1749年、ディジョンアカデミーが「学問芸術の復興は道徳の向上に役立ったか」という懸賞論文の募集を行いました。ルソーはこのテーマを見て衝撃を受け、「学問芸術はむしろ道徳を堕落させた」という逆説的な主張を展開した論文を執筆し、見事入選を果たします。

ルソーは、当時の学問や芸術が人間の虚栄心を煽り、社会を腐敗させていると批判しました。そして、真の幸福は自然に還ることによってのみ得られると主張したのです。この論文は大きな反響を呼び、ルソーは一躍時代の寵児となりました。

ルソーの主張の概略を掴む

ルソーは『学問芸術論』の中で、学問や芸術は人間を自然な状態から引き離し、虚栄心や競争心を煽ることで道徳を堕落させると主張しました。そして、真の幸福は自然に還ることによってのみ得られると説いています。

ルソーは、当時の学問や芸術が権力者や富裕層に迎合し、社会の不平等を正当化するために利用されていると批判しました。そして、真の学問や芸術は、人間の理性や感性を磨き、社会全体に貢献するものでなければならないと主張したのです。

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